[戻る] 君が来るの待ってたよ！僕は汐留行！ ちがうー！しおどめいき、じゃなくて、いく。大江戸線の駅ナンバリングがE-19で、いく、なんだ。 でも、汐留行きの電車っていうのもあるんだよ！僕のところが終着点。その時はね、ホームの先端、みんなが見えないところに、ちゃんと電車を置く場所があるんだ。そして、朝、そこから発車させたりするんだよ。そこで、二人でこっそり逢うのも、いいね！ 僕は地域的にも、マスコミやIT、国際的な企業が多くて、「ビジネスパーク」って見られることが多いんだ。だから、そんな未来を見つめるイメージカラーを「シルバー」。国際性豊かで洗練された地域としてのイメージカラーを「ホワイト」。そして、汐留って名前のとおり、海に近い臨海地区のイメージカラー「ブルー」と3色で駅構内は構成されているんだ。かっこいいでしょ。 君は可愛いから、ピンクって感じかな。ピンクの駅、可愛いね。そしたら、僕が君の先輩になるんだよ！ふふっ。そうだったら嬉しいのになあ。 そう、僕が開通したのは、2002年の11月2日。大江戸線の全線開通は、2000年の12月12日っていうのが公式だから、僕が一番年下なんだ。でもね、僕自体は2000年の12月12日にもう居たんだよ！だけど大江戸線は、僕を通過運転していたんだ。 そしてさっき言った、電車を止めるホームからは見えない場所、信号所っていうんだけど、そこに電車を止めたり、そういう仕事は既にしていたんだ。ちゃんと働いているのにさ！…でも、まぁお客様が来ないと、ちゃんと「駅」とはいえないのかもしれないけど…。 でも僕は2年もほったらかし。凄くさみしかったんだ。…あの時、君が居てくれたら、よかったのにな。 って…あっ！ああ、そんな悲しい顔しないで！ うそうそ！だって、来ることは出来なかったんだもん、仕方ないよ！ それに今日、僕は君にちゃんと会えたんだもの、だから大丈夫！ 今日はいっぱいお話しようね。 そう、それで僕の街は、僕を含めて旧国鉄貨物駅跡地だった土地を、急に再開発して「シオサイト」っていう新しい街を作るってことになったんだ。僕は先に準備が整ってたんだけど、街がまだ大江戸線の全線開通の時には出来上がってなくて、街と足並みを揃えて開業日を待つことになったんだ。 開業日を待つまでの間の信号所は、今でもちゃんと機能してて、汐留止まりの電車を置いたり、大江戸線のメンテナンスに、浅草線の馬込検車所にE5000型で運ぶ時に使ってたりするんだ。 E5000型？ああ、ごめんね。大江戸線は光が丘先輩のところと、木場に車庫はあるけどメンテナンスするための検車所がないんだ。だから、メンテナンスするために、先輩の浅草線の馬込検車所を借りてるんだ。浅草線と大江戸線の線路の幅が同じ1435mmだから通ることはできるんだ。ただ、大江戸線はリニアモーターだ から、浅草線に入ると自分で走ることができないから。 …って、え？リニア？、リニアだよ…。ああ！ちがうちがう！浮く方じゃ無くて！ そっかぁ、大江戸線がリニアモーターだって、あまり知られてないのかな？ ほら、大江戸線って乗った時、ちょっと小さいなって思わない？一般に、ミニ地下鉄って呼ばれてるんだけど、リニアモーターを使うことやパンタグラフの小型化をしたり、他にもいろいろ工夫して車体を全体小型化しているんだ。なんでかって？それはね、地下鉄を掘るのって、すっごくお金がかかるんだよ。だから、大きい穴を掘るよりも、小さくしたほうが安く済むわけ。そんなわけで空けるトンネルにあわせて、車体も少し小さいんだ。かといって、乗る人があんまり狭いと感じさせないように、いろいろ車体に工夫もしてるんだけどね。 ね？レールの真ん中に、プレートみたいなのがあるでしょ？リアクションプレートっていうんだけど。車体側と、あのプレートの間に磁界を発生させて、その力で鉄輪を進ませるっていうリニア方式なんだ。リニアは凄く力が強いんだ。大江戸線は新しい地下鉄だから、既存の地下構造物を避けて作られてる。だから、深いし急勾配やカーブが多いんだけど対応できてるんだよ。ちなみに、プレートと車体の間はわずか12mmしかないんだ。メンテナンスも大変なわけ！ で、話がそれちゃったけど、そのメンテナンスをするのに、レールの幅は大丈夫なんだけど、浅草線に入るとパンタグラフが届かないし、リニアだから、リアクションプレートがなくて自走できないから、E5000型っていう機関車で引っ張るんだ。ホームの先のこの見えないところから。だいたい営業時間外だから見ることは出来ないけど…、今度こっそり二人で見に行かないっ？ って、あ…なんだか鉄道の話ばっかりになっちゃって…イヤ…だった？ よかったぁ。他にもたくさん紹介したいところがあるんだ。 今日はもう少し、君と一緒にいさせて。ほら、手を繋いで行こっ！ お似合いのカップルに見えるといいなっ。