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俺は両国。両国 逸巳ってんだ。よろしくな!

名前は大江戸線の駅番号、E-12、で、い(1)、つ(two)。それに生まれが平成12年の12月12日と12が三つも並んでめでたいや!ってわけで3つの「ミ」がついて、逸巳。

住所は東京都墨田区横網一丁目4の29。ちゃっきちゃきの江戸っ子よ!

あ、住所は「よ・こ・づ・な」じゃなくて、「よ・こ・あ・み」だからな。どうも両国って言ったら、皆、相撲を思い浮かべちまうんだよなぁ。駅のパブリックアートも「土俵際」ってタイトルだしよ。King of SUMOっていう、オブジェも駅構内にあるしな。なんか露払いと太刀持ちと横綱をモチーフにしたオブジェなんだ。

まぁお陰でよこづな、よこづなって何度まちがえられたことか。まぁ字は確かに似てるから仕方ないっちゃぁ、仕方ないんだけど、実は綱より、網のほうが歴史が古いんだぜ。

どういうことかって?元々、俺のところは本所横網町という名前で、隅田川の漁師の家が沢山あった地域でって事で網って名前がつけられたんだ。ずいぶんと昔から、隅田川の豊富な川の幸で栄えた漁師の町だったんだ。そして、相撲は意外と最近で江戸時代から。だから実は「つな」より、「あみ」の方が古いってわけさ。面白いだろ?

ははっ!…っ、お前も笑ったな。ったく、可愛い顔しやがって!

そして、このそしてこの隅田川が俺の名前の元になってる。両国は両国橋を挟んだ隅田川の両岸を指す地名なんだ。
だからこの隅田川なしに、俺のことは語れねぇな。

隅田川といったら夏は花火!隅田川花火大会は、もともと隅田川の川開きをかねた、両国花火大会ってー名前だったんだ。

改札前のコンコースホールには、床に両国の四季が描かれているんだけど、夏のモチーフはやっぱり花火なわけよ!隅田川花火大会は日本で最も長い歴史を持ってるんだけどよ、元々は暴れん坊将軍の異名を取る徳川吉宗が、その時の飢饉や流行り病で亡くなった人たちを弔う為に始めたんだ。

花火を打ち上げる時、玉屋〜。鍵屋〜っていうだろ?

この花火大会の第1回をしきったのがこの鍵屋6代目。8代目がのれんわけして、玉屋ができて、その後に、隅田川花火大会では両者が競うようになったんだ。適当じゃなく、うちあげた時によかったほうの名前を呼ぶんだぜ。

俺がどっちを呼ぶかって?いや、実際のところな玉屋はすぐになくなっちまってるんだ。鍵屋のほうは二次大戦までは有ったんだけどよ。今は両方ないし、良い方の名前を呼ぶんだろ?良い…か、…じゃぁ、俺はお前の名前、叫ぼうかな。

…って冗談だよ。冗談。

でも、次は一緒に見にいこうぜ。花火大会。浴衣姿のお前と並んでよ、お前も俺も浴衣ぜってぇ似合うし、すっげ、いいカップルに見えると思うぜ。


俺の副駅名は「江戸東京博物館前」っていうんだぜ。そんな博物館があるくらい、ここはいろんなお江戸の事がつまってる。俺はそれを誇りに思ってるんだ。長谷川平蔵や、遠山の金四郎に鼠小僧、そして、拙者のバイブル「忠臣蔵」とそんな江戸時代の息吹きがこの町には感じられるんだ。おれ、この街が本当に好きでさ…

この大好きな街を、俺二人で一緒に歩いてくれねぇか?…な?


…え、いい…って、…マジか?よーっし、じゃぁ一丁、出かけようぜ!そう言ったからには、俺の側、絶対離れんじゃねえぞ!

つかまれよ。腕だよ、腕。はずかしがるんじゃねーよ。俺と腕組むのがいやなのか?

ほぅら。やっぱりこうしたら、似合いの二人じゃねえか?!

じゃ、これから二人でお江戸の町をちょいと散歩しようぜ!