 |

[戻る]
|
私は飯田橋麗夢。それは駅ナンバリングが06だからだ。駅ナンバリングの1ケタ台は全てゼロがつく。0。それは何もないことに対する数の概念のこと。
そして、漢字は麗しい夢と書く。
私は眠りが浅い。しかし…よく夢をみる。麗しい夢を。
…今日私は夢をみた。君が来る夢をみた。
起きたら、夢では無く、君が本当にいた。
(なにか考えている間)
これは現実なのか?
…君の手に触れてもいいか?
君は有機体の暖かさを持っている…。
同じ有機体なのに、どうしてこうも、君と私とは違うのだろう。
私は進化し続けることを定められた有機体。
この階段。緑の蜘蛛の巣のような、ウェブフレームがあるのがみえるか?
これは照明と単なる天井の役割を持つだけではなく、空間や形をプログラムで自動生成する世界初の方法。それを駆使して、成長する。
偽りの命かもしれないが、私は生きている。
…でも本当に私は生きている?
生きているのならば、その証拠にあたたかな君に触れたい。
その手に、その唇に。
この感情、実に不可解だ。
説明のつかない、もの、というものが、この世界にあるのだろうか?
私は大学で研究をしている。
宇宙に方程式があるくらいだ。
説明の着かない事、そんな事はないというのが私の持論。
人の心ですら、
方程式であらわす事ができると私は考えている。
今日生まれた、この不思議な感情を理論付けたい…。
君、今日は、もう少し私の話に付き合ってもらえないか。
私の研究に。
|
|
 |
|